原点は宮崎アニメ 映画「新感染」監督語る日本公開の思い

公開日: 更新日:

「韓国社会は映画撮影に寛容で、都会のど真ん中でもカーチェイスを撮影できたりします。最新鋭の特急がゾンビに襲われる内容ですから撮影拒否されても不思議ではないと思うかもしれませんが、韓国鉄道公社はとても協力的でした。公開後も運転士役の俳優をKTXの名誉運転士に任命してくれたり、主人公たちが目指す終着駅プサンではゾンビイベントまで主催して盛り上げてくれたんです」

 アニメ出身監督らしいスピード感あふれる演出に加え、韓国ならではの社会派テーマを盛り込むことでゾンビ映画のマンネリズムを打ち破ったと、海外の映画人や映画祭から高く評価された。

「たとえばセウォル号転覆事故の顛末などを見て、韓国人は保守派もリベラル派も公権力に対して強い不信感を持っていますが、本作における生存者同士の激しい葛藤や対立構図もそれをモチーフとしています」

 金融マンからホームレス、妊婦、高校生などさまざまな階層の人々が登場し、おのおのの社会性と人間ドラマを絡めて感動を盛り上げるストーリーは、同じように格差社会化する日本人の共感をも得られそうだ。

「私が初めて日本アニメを見た時くらいの大興奮を与えられるかはわかりませんが、ぜひ楽しんでいただけたら」と語るヨン・サンホ監督。強い思い入れがある日本市場でのブレークを果たせるか。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動