おいでやす小田 極貧アパート時代に夜な夜なヌートリアが
もっとも、お笑いの月収が2万~3万円しかなくて食うためにバイトに追われてた時代です。部屋には小さいテレビと奇麗とは言い難い布団、着替えが少々あるぐらいやったから、泥棒が入っても、盗っていくもんがありません。せやから鍵かけるとか、そんなん気にもしてなかったんです。
アパートも酷かった。1階がスナックで、夜中の1時くらいまでカラオケをガンガンやる。もちろん防音なんてないから、閉店まで床が音圧で振動するし、おまけに、天井では毎晩、ネズミの大運動会。サンドイッチ状態やから、うるさくてゆっくりテレビも見られへん。
ところがですよ。そのヌートリア、そんな部屋に次の晩からちょくちょく顔を出すようになったんです。僕はぜんそくの持病を持ってるんで、どんな熱帯夜でもクーラーNG。窓を全開にして扇風機を使っとったんですけど、開けっ放しの窓から普通に入ってくる。で、テーブルの上にお菓子とかパンとか置いてあると、それを断りもなく食べるんですわ。断ればいいってもんやないんですけど、見てるのが分かってるのに平気の平左。それが1カ月ほど続きました。