「言論の自由がない」D.スペクターさん東京五輪狂騒に苦言
<24時間テレビはチャリティーでギャラもらえるのに、東京五輪は巨大なビジネスなのにボランティアはタダ働きっておかしいと思うのは、私だけ?>――。2020年東京五輪のボランティア募集について疑問を呈したツイートは、リツイート数が約5万件に上るほどの反響を呼んだ。投稿したのがデーブ・スペクターさんだ。56年ぶり、2度目の東京五輪の開催に向け、大会組織委員会や政府、東京都、メディアが一体となって盛り上げ機運を高めていることにも、「冷静になろう」と呼びかけている。
■スポンサーが自前でスタッフを
――東京五輪のボランティアに関するツイートが反響を呼びました。
24時間テレビのことを今さらどうこう言うつもりはないけど、チャリティー番組とはいえ、結局金儲けじゃないですか。スポンサー企業の協賛金だけで番組内で募った寄付金額を超えているし、当然、出演者はギャラをもらう。それならなぜ、テレビ番組とは比較にならないほどの収入がある五輪で、一般人がタダ働きを強いられるのか。オカシイと思ったんです。
――ボランティアなら無報酬でいいという考え方がある。
2012年のロンドン五輪でもボランティアがたくさんいたけど、事情が異なるのは、日本が英語圏ではないこと。日本において、英語を話せる人は特別なスキルの持ち主です。働いている年齢であれば、そのスキルを生かして仕事をしているはず。例えば、コーディネーター兼通訳を1日拘束した場合、相場は大体5万円。しかし、五輪ボランティアは、スキルがあっても無報酬で、交通費と別にもらえるのは五輪のユニホームぐらいです。ヤフオクで売るにしても数がたくさん出回るから、当分は高く売れないでしょうし(笑い)。
――東京五輪のボランティアは、<1日8時間程度><10日以上の活動が基本>などの条件が細かく決まっています。
その条件で「お金はいらない」って言う人は、“スーパーボランティア”の尾畠春夫さんぐらいじゃないですか。仕事でもボランティアでも、人は「利用されている」と思うとモチベーションが下がってしまう。リオ五輪のボランティアはまさにそうだった。ろくに食事ができないとか労働時間が長すぎるとか、劣悪な環境だったと聞きます。東京五輪では妥協案として、少額でもいいから「手当料」をあげてもいいと思う。そうすれば、スポンサーの大企業が大儲けしている五輪に利用されている感じが薄れるじゃないですか。そもそも、スポンサー企業が自前で大会運営スタッフを用意すればいいのにね。