ナイツ塙宣之さん 実兄はなわとの1枚は“芸人の出発点”
僕が先にオーディション番組で優勝、アニキは芸人になるため上京直前
親はお笑いオーディション番組で優勝した時にも、あまりいい顔をしなかった。だから、兄2人が浪人とアナウンス学院なのに、「芸人になりたい」と言ったら親は絶対に反対する。というかキレる(笑い)。そうわかったから、僕は東京の大学に進学したんです。でも受かった大学は落研(落語研究会)が盛んで、そこに入って漫才をやるんですけどね。
アニキは上京してすぐ金髪とか芸人らしい髪形になり、見る見る変わっていきました。1年遅れで上京した僕が落研で活動していると、いろんな人から「お兄さん、佐賀県の歌ネタ面白いね」と言われるようになって!
それで、アニキは学院を中退してプロダクションに入ってすぐに芸人になったんです。当時はいろんなライブに出ていました。
■落研に兄を呼んだらプロの芸に衝撃
大学2年の時かな、落研のライブにアニキを呼んだんですよ。そしたら僕ら学生とはレベルが違うネタでした! お客とのやりとりも含めて、まさにプロの芸人。「すげぇ!」と衝撃でした。
その1~2年後にまた呼んだ時はベース弾きながらの佐賀県の歌も超ウケてみんなから「絶対売れるよ!」と言われて。僕は誇らしかったですよ。それから間もなく、アニキはテレビにも出るようになりました。上京してから世に出るのが早かったですねぇ。
高2で優勝した時にアニキが驚いたみたいに、今度は僕がアニキに触発されました。僕は大学時代は別の人と漫才してたけど、卒業後に土屋(伸之)と組んですぐに芸人になったけど、アニキが売れてたから、大いに刺激になりましたね。
アニキが上京する直前のこの写真は2人の芸人としてのスタートなのかもしれません。アニキとは今もよく会います。
仕事でもしょっちゅう一緒になるんですよ。はなわとナイツで営業のパッケージとか(笑い)。よく話もします。この写真の頃の気持ちをお互い聞くことはないですけど。
(聞き手=松野大介)
▽はなわ・のぶゆき 1978年3月生まれ。千葉県出身、佐賀県育ち。創価大学卒後、01年に漫才コンビ・ナイツ結成。「お笑い演芸館+」(BS朝日)MCをはじめ、ネタ番組やラジオで活躍。15年から漫才協会の副会長を務める。DVD「ナイツ独演会『ワッショイ』でない事だけは確か」(来年1月30日発売予定!)。