素人丸出しの私にとんねるずタカさんはよくしてくれた
新田恵利編<5>
おニャン子クラブは、さながら女子高だ。フジテレビの控室に集合すると、わいわい、がやがや、場所もないほどで、私はトイレで着替え、化粧していた。
食堂でサインを考えるように言われて、皆、見よう見まねで自分の名前を崩した。ノートで練習して、初めて色紙にサインしたうれしさと恥ずかしさは今も忘れない。
とはいえ、アルバイト気分の女子高生は、なかじ(中島美春)と私くらいだと気づく。(国生)さゆりちゃんを筆頭に芸能界で生きていこうと本気のメンバーがいて、後から入ってくる子のほとんどがそこに続いた。立見(里歌ちゃん)と内海(和子ちゃん)がその中間。やがて、このあたりに見えない線が引かれていく。
タカさん(とんねるず石橋貴明)は、素人丸出しの私によくしてくれた。東京都板橋区の成増で育ち、上福岡に住んでいた私と同じ東武東上線ということもあり、各停の車両の床はまだ板張りだと笑った。その日もスタジオ入りすると、椅子に座って手招きしている。
「おはようございます」