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井筒和幸映画監督

1952年12月13日、奈良県出身。県立奈良高校在学中から映画製作を始める。75年にピンク映画で監督デビューを果たし、「岸和田少年愚連隊」(96年)と「パッチギ!」(04年)では「ブルーリボン最優秀作品賞」を受賞。歯に衣着せぬ物言いがバラエティ番組でも人気を博し、現在は週刊誌やラジオでご意見番としても活躍中。

選挙カーで一体何を…うるさい選挙よ、早く終ってくれ

公開日: 更新日:

 朝日新聞の夕刊の「素粒子」欄じゃ、投票できない有権者って主権者なのかとか、今の民主主義の機能不全をあぶり出しているとか批判していたが、民主主義の不全なんて元から不全じゃないのかと思うのだ。平穏で暮らせる社会を思う少数の賢者と、わが利益と欲望の資本主義に任して、他人を蹴落として敗者に追いやる大多数の衆愚どもに、選挙カーで何をアピールするんだ。

 オレ的本来の話だが、市長も市議も、税金の使い道を考えるのが仕事の人間だし、税金をくすねて愛人を囲うとか、年末に税金で家族旅行して似合わないフランス料理を食らうとか、税金で似合わない絵画ばかり買って市長室に飾るとか、行かなくていい無駄な市の祭事に居眠りしに行くとか、そんなクソバカさえしなけりゃ、務まるならいいじゃないかと思う。マンションの管理組合の理事の持ち回りと、実は代議士もとても近いものと思えてきた。

 一時のハコモノ(大きな施設)行政も地方の負の遺産として残っている。「のど自慢」なんか何十年に一度なのに誰が歌うんだと疑うような、だだっ広いだけの多目的ホールと、会議などしない会議室が余っている。地方の小ホールに人権差別をなくそうという講演会に出向いた時、隣の会議室で音が鳴ってるのでのぞいたら、ハワイアンダンス教室を開いていて、60代のオッサンも交じって腰をくねらせていた。あんなハコモノで本当に町の経済が潤って、文化にあふれた例がない。文化など、名画座と喫茶店があれば十分だった。今は駅から遠いシネコンに変わった。禁煙のスタバの高いコーヒーで憩う気にはならない。

 とにかく、うるさい選挙よ、早く終わってくれ。まじめな人なら続投でいいよ。

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