働く女性の支持増える 多部未華子の真骨頂は“非・顔芸”
テレビコラムニストの亀井徳明氏が言う。
「同じ働く女子がターゲットの話でも、『凪』が恋愛寄りのファンタジーなら、『経費』の方はもうちょっとリアルに寄せているぶん、多くの働く女子の共感を得やすいのでしょう」
実際、視聴率は「凪」に及ばないものの、この枠で過去に放送されたドラマより2ポイント以上高い。視聴率と支持率は別物というわけで、多部の支持率はじわじわアップしてきているようだ。
亀井徳明氏はそれを、「劇中の職場にどこか漂う“昭和感”が、男性にも、もう現役ではない元働く女子にも入り込みやすいから」と分析しつつ、こう続ける。
「経理、総務、営業と、どの会社にもある部署の“あるある”が満載なうえ、登場人物も、どの職場にも『こういう人、いるよね』という感じがうまく引き出されています。そして主演の多部の抑えた演技がいい。わずかな目線の変化で見せる表現力は、TBSの日曜劇場が得意な、派手な“顔芸”とは真逆ですね」
東京女子大卒の才媛で、スキャンダルらしいスキャンダルもない。同世代のアイドル的な女優とは一線を画す存在の多部。「この2~3年で劇的にかわいくなった」(在京キー局関係者)ともっぱらだが、その真骨頂は“非・顔芸”の芸にあるようだ。