15年ぶりの単独真打ち昇進初日 高座より客入りが心配で…
その顔ぶれが日替わりで披露口上にも並んだのだから、さぞかし盛り上がったろう。
「大喜利みたいな口上になりました。僕らしいと言うと、皆さん僕のことを知らないでしょうから生意気なんですが、僕はいつもヘラヘラしてたいヤツなんで、師匠連が機嫌よく、ニコニコ笑ってる口上というのがとってもうれしかったんです」
初日の高座は緊張するものだが、どうだったのか。
「高座をどうしようより、客の入りが心配で、立ち見が出てるのがわかって緊張が解けて、口上が盛り上がったことで楽になって、高座では普段通り、『大工調べ』をやりました」
父親の痴楽は舞台度胸がいい人だったが、その血を受け継いだようだ。
「末広亭では毎日、『この噺を聴いて欲しい』という気持ちで演じました。次の浅草演芸ホールでは、その日の客層に合わせてやって、池袋演芸場ではまた、自分のやりたい噺を続けました」
大入りが続いた。 =つづく