15年ぶりの単独真打ち昇進初日 高座より客入りが心配で…
落語芸術協会15年ぶりの単独真打ち昇進
柳亭小痴楽の真打ち披露興行が11月の国立演芸場での公演をもって終了した。落語芸術協会としては15年ぶりの単独での昇進ということもあって話題になり、京王プラザホテルで開かれた披露パーティーは盛大で、寄席興行は連日大入りであった。
小痴楽は5代目柳亭痴楽の次男として生まれた2世落語家である。早世した父親との軋轢などを含めて、新真打ちとしての意気込みなどを語ってもらった。まずは単独昇進について伺おう。
「1人でなるのは夢でしたが、自分の実力を考えると、お客の動員力を考えたら、夢で終わるだろうなと思ってました。夢がかなって現実になると、急に不安になりましたね。披露興行がガラガラだったらどうしよう、なんて考えると、責任の重さがプレッシャーになりました」
それがふたを開けてみると、皮切りの新宿末広亭での公演が、連日立ち見が出る大入りだった。
「自分だけの力じゃありません。三遊亭小遊三師匠と桂米助師匠は毎日出てくれましたし、日替わりで、上方落語協会の笑福亭仁智会長、桂文枝師匠、文珍師匠、月亭八方師匠、円楽一門会の円楽師匠、好楽師匠、兼好兄さんたちが出てくださった。そのおかげで大入りが続いたと、皆さんに感謝してます」