親父に渡された本が立川談志師匠の「現代落語論」でした
桂平治は現在の11代目桂文治。大名跡を継ぐくらいだから、古典落語の実力派で評価の高い人である。
勇仁郎の前座名は桂ち太郎。2005年11月から前座修業が始まった。
「平治師匠の噺を聴いて、この人の弟子になれてよかったと思いました。当時、師匠によく、『君は落語が好きじゃない』と言われましたが、それは師匠の物差しで、僕自身は好きなんだけどなあと。後で師匠が正しかったと思い知るんですが」
平治は人当たりがよく、優しげな印象だが、弟子には厳しかったという。それは当たり前のことである。 (つづく)
(聞き手・吉川潮)
▽りゅうてい・こちらく 本名・沢辺勇仁郎。1988年、東京生まれ。2005年、「ち太郎」で初高座。08年6月、父である5代目柳亭痴楽門下へ入門し「柳亭ち太郎」。09年9月、痴楽没後、柳亭楽輔門下へ。09年11月に二つ目に昇進し「3代目柳亭小痴楽」となる。19年9月、真打ち昇進。