佳境の「スカーレット」スピンオフ週から消えない違和感
「ヒロイン・喜美子の話は、失敗続きの末についに古信楽の焼き物を完成させ、陶芸家としての名声を得た第18週(2月3~8日)で終わっているんです。死に物狂いで穴窯に薪を投入するシーンと赤い炎の映像が、このドラマの最大の見せ場だったというわけですよ。さて、残り1カ月半をどうするか。そうだ、イケメンを使ってスピンオフをつくっちゃおうというわけで、林遣都の大野信作、伊藤健太郎の武志を主人公にした“おまけ”をくっつけた。さらに、稲垣吾郎というサプライズも盛り込んだのだから、違和感があるのは当たり前ですよ」(テレビ番組構成作家)
おかげで、一瞬、地上波視聴率20%を上回ったが、主演の戸田に華がなく、ドラマの舞台も後半はずっと焼き物の里ばかりと退屈で、あげくに涙の病気ものというのでは、朝から暗い気分になる。8作続いてきた朝ドラの全話平均視聴率20%台の記録も、「スカーレット」で途切れそうだ。
(コラムニスト・海原かみな)