「半沢直樹」も延期…TV局はコロナ禍を乗り越えられるか
中には、〈コロナ感染で亡くなってしまった志村けんさんの追悼特番を見ていたら、昭和の番組の無条件な面白さが懐かしくなった。ゴールデンに昭和のテレビの再放送があってもいい〉という声もある。
オジサン世代は〈昭和の番組の再放送はアリかも〉と思ってしまうが、テレビコラムニストの亀井徳明氏は「それらはすでに、CSでやっていることですからね。地上波が“過去作”で急場をしのぐのは、ニーズもないわけではないので否定はしませんが」と前置きして、こう続ける。
「ただ、過去の作品でしのげたんだから〈それでいいんじゃないか〉という流れになることはあり得ません。そもそも名作と言われる過去の作品も、それよりさらに過去にすがらず、新しく面白いものを作りたいという意欲から生まれたものです。だからこそ、このピンチを何とか乗り越えて、新しい面白さを生み出すパワーにしてほしい」
奇しくも今期の地上波連ドラは、過去のヒット作の久々の続編が目立つ。そんな流れを亀井氏はこうとらえる。
「視聴者にとってみれば、あのドラマの新作が、という楽しみや期待は確かにあります。テレビ局にすれば、数字も見込めるわけで、利益を考えたらそこに行き着くのも当然ですが、前作を上回ろうという気持ちと、それ以外の続編ものに負けないという気持ちのぶつかり合いの中で、面白いものが生まれてくればいいですね」
今は収束を待つしかない。が、コロナ禍のテレビは自ら苦しみながら、視聴者の安らぎだったり勇気づける存在であってほしい。