大学で学問より落語の稽古に熱中…師匠選びのポイントは?
春風亭一之輔は1978年1月、千葉県野田市で生まれた。本名、川上隼一。高校時代から、立川談志や古今亭志ん朝を追いかける落語ファンだったという。
「高校2年の夏に、日常の落語家を近くで見たくて、落語芸術協会の寄り合いを見に、上野動物園まで行きました」
落語協会と落語芸術協会は、夏に「寄り合い」と称する会員の懇親会を開く。その年、落語芸術協会は上野動物園を見物した後、公園内の精養軒で宴会を開いた。
「今は亡き柳昇師匠、歌丸師匠もいらっしゃいました。動物園に入って、師匠方の後をついていったら、瀧川鯉朝兄さん(当時は春風亭昇輔)に、『君は何者なんだい』と聞かれて、理由を話したら、『変わってるね』と言われました。それでも、いろんな師匠と一緒に写真を撮ってもらえるよう頼んでくれて、親切な人だなと思いました。落語家になってから、変態だとわかりましたが」
大学受験に失敗した時、落語家になろうかと考えた。しかし、安易な考えを親に見抜かれ、1浪して日大芸術学部に入学する。