ヒロシは最悪を何度も経験したから“逃げ続ける覚悟”がある
ホストならば稼げるかと思ったのが地獄の始まりだった。引っ込み思案の性格ゆえ、ホストで稼げるはずもなく、かといって簡単に辞められるわけでもない。部屋も借りられなくなり、当時はホストのイメージは悪かったため、芸人仲間から距離を置かれてしまった。
そうして地元・熊本に逃げ帰った。そのときにできたのが「ヒロシです……」のネタだった。早くそれを試したくてウズウズしていたヒロシは、働いていたホストクラブが閉店したと聞いて、すぐに再び上京。ライブに出ているうちに、テレビに出られるようになった。
だが、テレビの世界はヒロシにとって苦痛でしかなかった。「もう毎日死にたかったです。あるとき、突発的に18階から飛び降りそうに」(リクルート「SUUMOタウン」19年6月6日)もなった。「飽きられて」テレビに出られなくなったと思われがちだが、ヒロシは自ら「逃げる」ようにテレビ出演をセーブしたのだ。
「飛び降りても死なない」という理由で、神奈川の一軒家に引っ越し、その頃は仕事もせずに釣りばかりしていたという。冒頭の番組でも「最悪の状況を考えて行動すれば、その覚悟はできてるんで。最悪こうなるってことに耐えられるんなら逃げればいい」と語ったヒロシ。さまざまな局面で「最悪の状況」を経験してきたからこそ、ヒロシは今も逃げ続ける。