上白石萌歌の愛嬌は嫌われない “タヌキ顔”は時代が求めた
■「未来の自分に何かを残すのが好き」
今から6年前、雑誌「月刊オーディション」(白夜書房)のインタビューで初めて取材したときには彼女はまだ13歳だったが、毎日の仕事の内容や出会った人の名前をすべてノートに記録していて「未来の自分に何かを残すのが好き」と大きな瞳を輝かせながら語るのを聞いて、必ずすてきな主演女優になる予感を感じた。
姉の萌音がおとなしい役を演じることが多いのに対し、妹の萌歌は活発で元気な役を得意とする。しかし、インタビューしたときに彼女自身から聞いたところによると、少し前まではむしろ妹の萌歌のほうが人見知りでいつも親の陰に隠れるような女の子だったという。
20歳になった上白石萌歌は、親しみやすい存在感が買われてテイジンやENEOSなど多くのCMに出演中。SNS時代にあって、どの世代にも「嫌われない(炎上しない)」愛嬌と親しみやすさが、彼女の強みになっている。
彼女が親しみやすいのは、その人柄に加えて、タヌキ顔タイプのルックスも要因のひとつ。ここ数年の若手女優は、有村架純や浜辺美波のようなタヌキ顔が人気を集め、上白石萌歌もその流れにある。
ひまわりの花のような彼女の笑顔をCMで見ると、前向きな気持ちになるとともに、ホッとして癒やされる。その2つの魅力を同時に持っている上白石萌歌は、こういう時代だからこそ求められる存在だと思う。 (つづく)