「鬼滅」実写化で民放争奪戦 なぜフジに権利付与されず?

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 公開からわずか10日間で興行収入107億円を突破。観客動員数800万人を達成するなどいまや社会現象となっている映画「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」。世界的大ヒットを記録した「千と千尋の神隠し」をもしのぐ快進撃ぶりに業界関係者は驚きと喜びの声を上げている。

「コロナ禍にあっても、ミリオンヒットを記録したことについて、米ニューヨーク・タイムズもネットでニュースを配信しています。『千と千尋』の記録(308億円)を抜くのも時間の問題といわれています」(映画配給会社)

 原作となった漫画「鬼滅の刃」は大正時代に家族を鬼に殺された主人公の少年・竈門炭治郎が鬼を殲滅する“鬼殺隊”に入隊し、家族の敵を討つとともに、鬼になった妹・禰豆子を人間に戻すため戦いに身を投じていくというストーリー。すでに今年5月に「週刊少年ジャンプ」(集英社)の連載は終了している。

「コミックはシリーズ累計で発行部数8000万部を突破。昨年4月にアニメ『鬼滅の刃』(TOKYO MX)が放送され、昨年9月28日に最終回を迎えているんです」(出版関係者)

 TOKYO MXで放送されていたアニメコンテンツを半ば懇願するように、無理やりGP帯に編成したのがフジテレビだ。キー局関係者はこう話す。

「『土曜プレミアム』で10月10、17日の2週連続で放送したんです。しかも視聴率は16・7%(10日)、15・4%(17日)という15%超えの高視聴率を叩き出した(関東地区・ビデオリサーチ調べ)。フジテレビでこんな視聴率を取ったことはここ近年なかっただけに、局内はお祭り騒ぎになりました」

 フジテレビはこの勢いに乗じ、今回上映されている映画版の放映権も獲得すべく、すでに始動しているという。さらにブームに便乗しようと、水面下で動き出したのが日本テレビやテレビ朝日、TBSといった民放キー局。実写化版の権利を取るべく、目下、争奪戦を展開しているという。

「当然、実写化についてはフジテレビも一番に手を挙げているが、今回の実写化版に関しては他局と同列という扱いなんです。最終的には、一番、いい条件(放映権料)を提示したところに権利が落ちるはずです。日テレ、TBS、テレ朝は制作費込みで50億円以上。フジは20億円の金額提示だといわれています」(事情通)

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