くだらない? 週刊誌のスキャンダル報道“下品も品のうち”
さまざまな意見が飛び交うが、参考になる事例がある。
1980年代、それまで脇役だった田村正和がテレビのホームドラマで主役を張るようになった。頼りない先生役など三枚目役でも注目された。以来、田村人気は不動となった。父は阪東妻三郎で、田村高廣、田村亮を兄弟に持つ俳優一家。「奥さんはどんな人」といった声も広がりだしていたが、私生活はほとんど知られていなかった。田村のある情報を聞き込み、デスクに報告すると、「やらなくていい」の一言だった。
「私生活を一切公表していない。ドラマと映画の世界だけで生きている人。私生活はすべて田村の許可なくしてやらない」と説明を受けた。事実、いまだに田村の家族構成は公にされていない。仮にわかったところで報じることもない。俳優としては神秘性が加味され人気を後押しした。
「2018年に田村の引退が報じられていますが、本人の口から“引退”と言ったわけではないから、復活もあるかも」という話もあるほどだ。
故・渥美清さんも私生活を公表していなかった稀有な名俳優だった。