普段の俺はカツラじゃありませんから!
実際に八重山商工野球部のグラウンドを使わせてもらったのですが、そこに一人の地元のオジさんが昼を過ぎた頃から「ねぇ、ダンカンく~ん、撮影終わったら一杯やろーよ!! 近所のみんなでワイワイやってるから」と1時間おきくらいに徐々に酔いを増して誘いに来たのだった。
そーなんですよね。あちらの方々は時間を見つけては頻繁に隣近所の数家族が集まって昼すぎから夜遅くまで宴を繰り広げるんです。とにかく何度となく誘ってくれるので断るのも申し訳なく、撮影終了後すっかり夜になった8時すぎに近所の宴の場(別の人の家の庭)へと足を運んだのでした。
ありがたいことに俺の参加で大いに盛り上がる宴となったのですが……その中の一人で床屋さんを長い間営んでいるという(宴の家の主人)が俺の耳元でささやいたのでした。「大変だね、芸能人って……」「いや、別にそんな?」「絶対に他では言わないさ~ふ~ん、普段はカツラなんだね~」。え~っ!? あ、このスキンヘッド!? いや、これはドラマの役で……と何度説明しても、昼すぎから飲んでるから俺の声など耳に入らないようで、おまけに「いや、普段テレビで見てる時からそれっぽいなって思ってたさ~職業がらわかるさ~」。こーして夜通し床屋のご主人に20回くらい奇妙な気遣いをされ続けた南国の酒盛りだったのだ……。
(つづく)