予想外の低視聴率なぜ?菅田将暉、松たか子主演作の共通点
2021年の春ドラマで、初回の世帯視聴率トップは阿部寛(56)主演「ドラゴン桜」(TBS系)で、それに竹野内豊(50)主演「イチケイのカラス」(フジテレビ系)、玉木宏(41)主演「桜の塔」(テレビ朝日系)が続く。
櫻井翔(39)と広瀬すず(22)主演「ネメシス」(日本テレビ系)、石原さとみ(34)と綾野剛(39)主演「恋はDeepに」(日テレ系)も2ケタ発進だったが、2話目で1ケタ台に。
「テレビ誌の“春ドラマ期待度ランキング”で1位になった『ドラゴン桜』。初回は14%超えと、視聴率の高さも前評判通りです。意外に健闘しているという印象なのが『イチケイ』。同じ月9で大人気シリーズとなった『HERO』っぽさを随所に感じられるところが、人気の秘密でしょうか。主演の竹野内さんの衰え知らずなイケメンっぷりもいい」(ニュースサイト編集者)
新ドラマの「期待度」を調査し、その結果を発表するサイトはいくつかある。あるサイトの期待度ランキングでは「ドラゴン桜」が1位。だが、異なるサイトの期待度ランキングでは、1位は菅田将暉(28)主演「コントが始まる」(日テレ系)。ちなみに2位は「ドラゴン桜」で、3位は松たか子(43)主演「大豆田とわ子と三人の元夫」(フジテレビ系)だ。
「『コントが』の初回を見た後、〈面白くて切なくて、青春群像劇として秀逸!〉という感想を持ったんですが、まさか2ケタに届かずとは……」と、ドラマウオッチャーで芸能ライターの山下真夏氏がこう続ける。
「『大豆田とわ子』にしてもそうです。キャストもストーリーもひとクセあるけど、見事に混ざり合い、ここにしかない世界観をつくり上げている。映像も主題歌もセットもすべてがおしゃれ。こちらも視聴率が芳しくないのが不思議ですし、残念でもあります」
「コントが始まる」「大豆田とわ子と三人の元夫」なぜ不調?
ちなみに「コントが」初回の世帯視聴率は8.9%、第2話は8.6%。「大豆田とわ子」初回は7.6%、第2話は6.8%……期待値が高かったのに、視聴率が振るわないこの2作品について、前出の山下氏はこう指摘する。
「2作品とも、セリフの量が膨大な会話劇で、すごくドラマティックな展開は今のところはない。ひょっとすると今の視聴者はあまりこのパターンを好まない傾向にあるのかも、と考えたりします。分かりやすいアイキャッチ的なシーンもないし、派手な刺激がないので物足りないのかもしれません。また、会話劇のため“ながら見”には向かない。リアルタイムでなく録画視聴が多い可能性もありますね」
スポーツ紙芸能担当記者からはこんな声も。
「ここ数年はネットの記事も文字量が多いと〈長いわ〉〈読む気しないわ〉とツッコミを入れる人が多い。映画の字幕に関しても〈できるだけ短く〉というオファーが数年前からあると聞きます。長い文字、多い言葉に拒否反応を示す人が増えていることも、会話劇離れが進んでいる一因かもしれませんね」
今の時代は録画派が増えており、〈視聴率は関係ない〉という意見も多いが、テレビ局とスポンサーサイドとしては、そう簡単には割り切れない。
「視聴者だって面白いドラマはリアルタイムで見たいと思うものですからね。無視はできませんよ」(在京キー局関係者)
魅力ある2作品の今後の視聴率上昇を願うばかりだ。
(数字はビデオリサーチ調べ、関東地区)