「恋はDeepに」が迷走…石原さとみの“人魚姫設定”に違和感
しかし石原と綾野の演技を見たい年齢層は彼らと同年代かもう少し上だろう。男女とも30歳を越えたあたりからファンタジーよりも共感性を伴うどこか"リアルな要素"を求める傾向があると思う。
■何のための“人魚姫”みたいな設定か
何のためにドラマの中にその「人魚姫」的な要素が必要なのか? 筆者は頑張って視聴を続けているが今のところ全く見えてこない。
正直、そのファンタジー要素がなくても、海を守りたい海洋学者とマリンリゾートを目論む御曹司の対立だけで、十分に「禁断のラブストーリー」が展開できたのではないかと思う。さらに言えば、「この役はこの人でないと演じられなかった!」「納得のキャスティング!」という感動がドラマの評価にもつながるが、この作品の内容なら綾野でなくても石原でなくても成立する。せっかく実力のある俳優の“ムダづかい”が特に残念でならない。
石原も、ラブコメのイメージは強いがドラマ「アンナチュラル」(TBS系)で本格的な演技を見せた。今回の不思議系ヒロインの役柄は彼女が本来持つ魅力を薄めてしまっているように思う。