女性マジシャンを育成「弟子が売れると、師匠が偉く思われるんです」
平成15年、伸は帝国劇場のミュージカル公演、「イーストウィックの魔女たち」のマジック指導を頼まれる。その縁で、帝劇のジャニーズのミュージカル公演「SHOCK」におけるイリュージョン指導を担う。
「ジャニー喜多川さん演出のミュージカルでした。最初にイリュージョンの道具をチェックしたところ、あまりにお粗末だったので、『こんなの使ったら危険ですよ』と言って、全部作り直させました。出演する俳優さんにケガをさせたらたいへんですから。幸い公演の評判がよかったことで、以後も東宝系の劇場公演で、マジックやイリュージョンをやる場面があると、指導を頼まれるようになりました」 (つづく)
(聞き手・吉川潮)
▽北見伸(きたみ・しん) マジシャン・イリュージョニスト。1962(昭和37)年、大阪府出身。本名・山上民夫(やまがみ・たみお)。「てじな~にゃ」でおなじみのマジシャン山上兄弟は実子。79年に北見マキに入門。マニプレーターでデビューし、世界大会などで数々の賞を受賞。その後女性グループ「魔女軍団スティファニー」を結成し、イリュージョンを手掛ける。近年はアイドルのプロデュースも行っている。