論破するひろゆきに憧れる若者の危うさ、SNSをタレ流すメディアの思考停止

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 しかし本来は論破するよりも、自分と違う価値観の人と腰を据えて対話することのほうが遥かに難しい。そういったスキルを持った人のほうが、社会を生き抜く力があると筆者は思う。

 どちらか一方だけの尖った発言ができる人も確かにすごいが、バランス感覚を持ち、多面的で俯瞰的な意見を述べることができる人がいるからこそ、世の中はきちんと回っているともいえる。

 ひろゆき氏のそもそものスタンスは、「相手を論破してやろう」というものではないと感じる。「互いの意見を出し合ってよりよい意見を見つけていくこと」を前提に議論した結果、「論破する形となってしまった」というパターンがままある。

 ひろゆき氏の豊富な知識には毎回舌を巻くが、どちらかというと「広く浅く」であり、本人もそれを認めつつ、間違えた時は素直に謝罪したりもしている。だからこそ、ひろゆき氏の主張する論はあくまで「ひろゆき氏の持論に過ぎない」という意識で、受け手側には主張を精査し理解する能力が求められる。

 最近炎上したDaiGo氏の信者同様、それらしい論に陶酔し、無意味な憧れを見出していることは、思考停止しているのと同じことだ。

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