論破するひろゆきに憧れる若者の危うさ、SNSをタレ流すメディアの思考停止
■教祖のように持ち上げるメディア
そんなひろゆき氏の露出増加は、新しく尖ったものに飛びつき、乱用したがるメディアの悪い癖が顕著に出ている結果ともいえる。
数年前、地上波テレビの制作者に話を聞く機会があったのだがその時は「ユーチューブはTVのライバルだから、ユーチューブで人気のある人は取り上げることはしたくない。取り上げたら負けな気がする」と言っていた。ところが、今はどうか。気づいたらテレビには人気ユーチューバーがわんさか出ている。
むしろユーチューブやネットなどでしか人気のない人たちが、こぞってテレビに出演している印象すらする。いつの間にテレビはあっさり白旗を上げ、プライドを捨て、ネットの人気者に便乗するようになったのだろうか? ひろゆき氏のSNSでの発信を1分1秒を争うようになぞって配信するネットメディアも同じだ。
ネットの人気者を地上波や自社媒体に引っ張り出して話題性を作り上げていくやり方が定着したメディアも、論破する者たちに行き過ぎた憧れを抱く者同様、「思考停止」しているような気がしてならない。