追悼・中村吉右衛門さん 満身創痍も舞台に上がり続け「気迫の役者魂」貫く
「無理に無理を重ねていたのでは」と、関係者からはこんな声が上がる。
歌舞伎役者で人間国宝の中村吉右衛門さんが11月28日、心不全で死去した。享年77。葬儀は近親者で営まれる。
吉右衛門さんは今年3月28日に歌舞伎座での「楼門五三桐」に出演後、都内のホテルで食事中に心臓発作で倒れて救急搬送されて入院。療養生活を続けていたが帰らぬ人となった。
歌舞伎界以外でもテレビ時代劇「鬼平犯科帳」シリーズ(フジテレビ系)では過去に実父も演じた鬼平役を4代目として襲名し、89年から150本も出演、弱きを助け強きをくじく江戸の火付盗賊改方、長谷川平蔵役として親しまれた。
歌舞伎の舞台ではここ数年、吉右衛門さんは体調不良による休演が相次いでいて、2013年に味覚障害を発症した際は一時食事も取れず、体重が10キロ減ったことも。足腰も弱まり、体調を心配する声が各方面から上がり、「引退」の二文字も囁かれていた。
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