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細田昌志ノンフィクション作家

1971年、岡山市生まれ、鳥取市育ち。CS放送「サムライTV」キャスターから放送作家としてラジオ、テレビの制作に携わり、ノンフィクション作家に。7月に「沢村忠に真空を飛ばせた男 昭和のプロモーター・野口修評伝」(新潮社)が、第43回講談社本田靖春ノンフィクション賞を受賞。

五木ひろしの光と影<17>他の審査員の目に留まっては横取りされてしまう

公開日: 更新日:

「10週勝ち抜く前から洋子ちゃんは、三谷謙のコンセプトを練っていた。普通じゃないよね(笑い)。『こういう楽曲』で『こういう詞』で『こういう衣装』って具合に全部。彼女の理想は、『今まで、どこにもいなかった歌手にする』ってこと。となると、自分でプロデュースするしかない。つまり、大手の事務所に紹介する気は、最初からなかったと思う」(平尾昌晃

 かといって、実力のないプロダクションに預けていいとも思えない。そうなれば三谷謙の再デビュー計画は早い段階で頓挫するだろう。では、どうすればいいか。

 そのとき、山口洋子の脳裏に一人の男の姿が浮かんだ。

あの男になら懸けていいかもしれない」

 洋子は膝を打った。 =つづく

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