2022年はフジ「月9」の正念場…菅田将暉「ミステリと言う勿れ」で復調か?
フジテレビ系の月曜9時枠「月9」ドラマが凋落して久しい。世帯視聴率でみると過去5年、2017~21年の18作品のうち平均で10%に達しなかったのが7作品、最低は18年1~3月の「海月姫」(主演・芳根京子)の6.1%。例えばかつて木村拓哉、山口智子の黄金コンビの「ロングバケーション」が平均30%近かったのが嘘のような惨状が続いた。
そんなズタズタの月9にわずかながら復調の兆し(復活ではない)は昨年あたりから。「監察医 朝顔」「イチケイのカラス」「ナイト・ドクター」「ラジエーションハウスⅡ」と4期連続で2ケタ、最高は「イチケイ」の12.6%だった。そして、現在放送中の菅田将暉主演「ミステリと言う勿れ」は初回13.6%、2回12.7%、3回13.2%、4回13.3%、5回10.0%と平均で12%半ばの視聴率になっている。
5回がガクンと落ちたのは北京五輪が原因。この日はジャンプ混合団体で小林陵侑、高梨沙羅らの中継があった。北京五輪は来週まで。6回が放送される14日は日本対韓国のカーリング1次予選の時間帯とかぶる。ここ2回は苦戦必至だろう。
しかし、「ミステリ」は菅田の思い込みや常識を覆す謎解き、モジャモジャ頭で表情を変えない演技がいいし、菅田の持ち味が存分に生かされている。初回は刑事の遠藤憲一がまさかの犯人だったり、5回は刑事の相島一之が22年前の事件で逮捕される意外な展開で毎回意表を突かれる。
大泉洋×木村拓哉も見もの
フジは昨年10月期から22時から放送の「月10」ドラマを復活させた。これでドラマを連続で見る視聴習慣ができ、存在感が少しアップした可能性もある。
4月期の新ドラマの発表が続く中、今週フジも新作を明らかにした。4月期は綾瀬はるか主演の「元彼の遺言状」に大泉洋が出演することになった。日曜放送のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」でキーマン、源頼朝を演じる大泉を抜擢して勝負を懸ける。大泉は俳優として今もっとも流れを掴んでいる。
かつて月9を牽引したキムタクはフジには見切りをつけたのか、テレビ朝日にシフトし、4月期は木曜ドラマ「未来への10カウント(仮)」で主演する。大泉対木村も見もの。フジテレビ時代の象徴だった月9にとっては22年は正念場のようだ。
(文=峯田淳/日刊ゲンダイ)