「ドライブ・マイ・カー」を見たが…映画は一場面でも笑ってもらってナンボだろが
日々、「怒怒哀楽」のネタは尽きないが、声を上げて「笑う」ことがほんとになくなった。映画館に行っても「ピンク・パンサー」など見られるわけもなし、コメディー映画も消えて久しい。邦画なんか「釣りバカ日誌スペシャル」から二十数年もバカ笑いしたためしがない。ましてや、テレビ芸人らが無理やりしゃべるトーク番組など笑えたもんじゃない。人は街の様子など知ったことかとスマホばっかり見て歩いてるし、誰もが損得勘定だけで生きている。社会から「呑気」という2文字も消えて、人がギスギスし合ってるのはこの国だけなのか。
先日、忘れていた年賀状の返事を出しに行く途中の交差点で、懐かしいスバル360なんていう化石のような軽四車が、プルプルプルとゆっくり横切っていくのを見たら妙にうれしくなり、声を出して笑った。昔の実写ドラマの「鉄腕アトム」でお茶の水博士も乗っていた流行の車だ。今どきの無粋な黒いボックスカーよりずっと洒落ていて、まだまだやるぞ! と主張してるようだった。
その帰り道、今度は小学校の門のそばで女子児童4、5人が集まって、世間話をするオバちゃんのように腕組みしてうなずいたりして談話してる光景にまた笑ってしまった。男子は幼いガキにしか見えないが、女子らはしっかり中年の婦人会みたいで、それがおかしかった。