「笑いのコツみたいなものを心得てたので、ご飯を食べるのに苦労しないだろうと…」
「何かお笑いをやってた人だというのはわかりましたね。笑いのコツみたいなものを心得てたので、落語家になってもご飯を食べるのに苦労しないだろうと思いました。実際、前座・二つ目時代、周囲から、『昇也さんがウケてたよ』とか『昇也さん、面白いね』という評判が耳に入りました」
二つ目になった2013年、落語芸術協会の二つ目11人で「成金」というユニットが結成された。現在売れっ子になった柳亭小痴楽、神田伯山、桂宮治らがメンバーである。
「僕は一番下でしたけど、一番上の小痴楽兄さんが先輩風を吹かす方じゃないので末席という意識はなかったです。ごちそうになる時だけ『兄さん』と立てて(笑)、あとはけっこう気楽にやってました。成金の会でも気遣いなしに噺ができて、言いたいことを言い合える仲間ですね」
そんな仲間から刺激を受けて成長していったのだ。 (つづく)
(聞き手・吉川潮)