著者のコラム一覧
本多正識漫才作家

1958年、大阪府生まれ。漫才作家。オール阪神・巨人の漫才台本をはじめ、テレビ、ラジオ、新喜劇などの台本を執筆。また吉本NSCの名物講師で、1万人以上の芸人志望生を指導。「素顔の岡村隆史」(ヨシモトブックス)、「笑おうね生きようね いじめられ体験乗り越えて」(小学館)などの著書がある。新著「1秒で答えをつくる力──お笑い芸人が学ぶ『切り返し』のプロになる48の技術」(ダイヤモンド社)が発売中。

友近へのアドバイス「コントをする時に目の前にいると設定している見えない相手・第三者の情報を細かく決める」

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 15年ほど前になりますが、卒業後、人気者になり大活躍していた時に、たまたま劇場近くの路上で出会い「ごぶさた」「ごぶさたしてます」とあいさつをかわした後に「忙しいやろうけど、いまNSCに女子クラスがあるんやけど、もし時間があったら見にきて、話を聞かせてやって」とお願いすると「わかりました。先生と一緒に授業したらいいんですよね。時間が合えば行かせていただきます」と話して別れました。ああは言ってくれたものの、超多忙なスケジュールなので現実的には無理だろうと頼んでおきながら半分あきらめていました。

 それが数日後、NSCの事務所に「友近さんのマネジャーから『この日なら授業に伺えますが本多先生のご都合はいかがですか?』と問い合わせがありました」と本当にスケジュールをこじあけてくれていたのです。

 すぐに指定の時間に特別授業を組んでもらって、彼女が特別講師として来てくれました。教室は生徒から歓声が上がり、一組ずつのネタの感想とアドバイスをしてくれて大盛り上がりで終了。「忙しい中をありがとうね、頼んだもののホンマに来てもらえるとは正直思ってなかった」という私に「先生との約束ですから。貴重な体験ありがとうございました」と頭を下げて、足早に次の仕事に向かっていきました。

 マネジャーへの厳しい言動などが報じられたりしていますが、律義でプロに徹する彼女の姿勢には男女を超えていつも共感をおぼえています。これからも違った一面をつくり続けてくれることでしょう。

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