NHKクロ現「旧統一教会2世特集」に賛否…3年間に及ぶ渾身取材を“周回遅れ”放送のナゼ
《本気を出したかNHK、と思って番組を見たら、『これは3年前からずっと取材してきたもの』とさりげなく言った。上からの圧力でお蔵入り寸前であった報道を、山上(徹也容疑者)が救ったのか……》
《3年間の取材、となっているが、なぜ今まで問題提起してこなかったのか? 報道機関として無責任ではないか。もっと前に放送していたら事態は変わっていたと思われる》
確かに番組公式サイトには、「私たちは事件が起きる3年前から、旧統一教会など複数の新宗教の2世とその家族の取材を続けてきた」と書かれている。
桑子真帆アナウンサー(35)も番組冒頭で、「取材班は事件が起きる前から、こうした宗教2世の取材を続け、これまでに70人を超える人たちから話を聞いてきました。多くの人が明かしたのは高額献金の実態と踏みにじられた人生についてでした」と語った。NHKはこれまでなぜ宗教2世問題を放送してこなかったのかと、不思議に思った視聴者も多かったはずだ。
「すべてはNHKの事なかれ主義のせいですよ。安倍元首相の銃撃事件後も、NHKは民放に比べて明らかに旧統一教会の関連ニュースに消極的な姿勢を続けてきました。8月に入ってようやく『旧統一協会問題のキャンペーンを張ります』と全国の報道局職員に通達が出ましたが、それも視聴者から『なぜNHKは旧統一教会問題やらないんだ!』とお叱りを受けたためです。周回遅れでようやく放送にコギつけたのが今回の『宗教2世特集』でした」(NHK関係者)
NHKでは「取材がようやく日の目を見た」と安堵する記者がいる一方で、「これではモチベーションが上がらない」と仕事に悩む記者も少なくないという。