キラー・カーンさん「警察は謝罪できないのか」自転車ひき逃げで書類送検も不起訴に
「ところが、ファイトマネーが少なかった。9割中抜きされてたって後で知りました。オレはカネのことでグチャグチャ言うのは大嫌いだから、文句を言わなかったけどね。周りには大金を積まれて、信念を曲げるヤツもいた。ほんとプロレス界はカネ、カネの世界。それに嫌気が差して、40歳でスパッと引退したんです」
嫌気が差したといえば、居酒屋を閉店したのも、コロナ禍の客減に加え、街に嫌気が差してしまったからとか。
「店を閉める1年前、自転車でひき逃げをした、と書類送検されたんです。20代の女性が歯が折れたって警察に言いつけてね。でも、まったくの濡れ衣。警察は被害をちゃんと確認もせずに、頭からオレが悪いと決めつけて取調室で怒鳴りつけるんですよ。事件が大きく報じられ、店にいたずら電話がきて、街でも道路越しに『当て逃げハゲー!』って叫ばれ、ノイローゼになって自殺まで考えた。でも結局、不起訴ですよ。オレは嘘をついたりしない。75年間、真面目に生きてきた。だから、悔しくて悔しくて……。不起訴になったんだから、警察には一言謝罪ができないのか、って言いたいよ!」
怒りはとてもおさまらないようだ。
(取材・文=中野裕子)