優勝ビスブラ、準優勝コットンともに 吉本“劇場芸人”がキングオブコントを席巻したワケ
■劇場で“お笑い筋肉”を鍛えた芸人たちの実力
2組とも同じ吉本興業だが、所属はビスブラが大阪、コットンが東京で、注目されたのは“劇場芸人”の強さだ。
ビスブラは大阪・よしもと漫才劇場、コットンは東京・ヨシモト∞ホール出身。漫才劇場からは、ニッポンの社長とロングコートダディ、∞ホールからは、いぬとネルソンズが決勝戦に進出しており、ファイナリスト10組のうち6組が吉本の常設劇場出身。
同じKOCに出場した、や団が所属するSMA(ソニー・ミュージックアーティスツ)も都内にお笑い専門ライブハウスのBeach Vはあるものの、席数はわずか50席ほどと小規模。しかも専属スタッフがおらず、若手芸人が照明や音響を兼務する手作り感あふれる劇場で、打席はかなり少なくなる。
対する業界最大手の吉本は、東京で5館、大阪で3館のほか、埼玉、千葉、福岡、静岡で劇場を運営。漫才劇場や∞ホールのように、若手育成を目的にした中規模劇場があり、舞台に立てるチャンスは多い。下部の芸人は、ネタバトルイベントで一定数の投票を獲得できなければ、劇場出番をはく奪される過酷なシステムはあるものの、その中で勝ち抜いた実力者がKOCや漫才のM-1グランプリ、ピン芸人のR-1グランプリ、女芸人No.1決定戦 THE Wの決勝舞台に立っているだけに、吉本比率が高いのは当然ともいえる。