2022年ドラマ界を総括! 強い印象を残した“秀作5本”をメディア文化評論家が徹底解説
「17才の帝国」は独自の世界観を提示する意欲作
次が5~6月に放送された「17才の帝国」(NHK)である。舞台は202X年の日本。斜陽国として世界から取り残されようとしている現状を変えるための実験が行われる。ある地域の政治を、人工知能(AI)が選んだ若者たちに託してみようというのだ。
「総理」は17歳の高校生、真木亜蘭(神尾楓珠)だ。彼が実現しようとする純粋な政治と、それを苦々しく思う旧来の政治家たちの対比にリアリティーがあった。また緊張感のある映像、架空の街のランドスケープデザインをはじめとする美術、さらに音楽も含め、独自の世界観を提示する意欲作だった。
脚本はアニメ「けいおん!」などで知られる吉田玲子。プロデューサーを務めたのは、「カルテット」(TBS系)や「大豆田とわ子と三人の元夫」(カンテレ制作・フジテレビ系)を手掛けた佐野亜裕美。そして制作統括は「あまちゃん」などの訓覇圭だ。