「生きるよろこび」を発散させ やす子が目指すはアンパンマンのような存在
上下関係も厳しく、過酷な訓練生活の中であったが、女性上官からは妹のように愛された。退官後、友人に誘われ、まったく知らなかったお笑い芸人の道に。当時は“芸人の墓場”などとも言われていたSMAに入るが、ひと月もたたないうちに「もうダメだ。辞めよう」と思ったという(主婦と生活社「フムフムニュース」22年12月28日)。しかし、先輩のハリウッドザコシショウが身一つで爆笑を取り続ける姿に衝撃を受け、続ける決心をした。
ブレーク後もネタ番組に出てネタを飛ばし、泣いてしまったこともあった。そんなとき、ザコシショウから「泣いて笑いに変わるんやからええやん!」と言われ、救われた(同前)。視聴者の一部からは「あなたのような人が元自衛隊を名乗らないでください」「迷彩服を脱いでください」などと言われることもあったという(TBS系「有吉ジャポンⅡジロジロ有吉」21年1月21日)。それでも彼女は恩を返すためと即応予備自衛官として、今も訓練も続けている。
「お笑いに興味がなかったからこそ王道ができているのかなと思います」(Creative2「ENCOUNT」22年5月26日)というやす子は「アンパンマンのようにみんなを明るく笑顔にする存在になる」のが夢だという(テレビ朝日系「くりぃむナンタラ」22年5月1日)。いま、“生きるよろこび”をまっすぐ発散させ、愛されている彼女にぴったりな道だ。