小泉今日子もおすすめ! 懐かしの名作がデジタルで蘇る「午前十時の映画祭」
「洋画を元気にするにはどうしたらいいのか」が始まり
同映画祭を主催する川喜多記念映画文化財団代表理事で映画祭の選定委員も務める武田和氏に話を聞いた。
「ここ十数年くらい外国映画の比率が下がってきて、邦画の方が多くなってきた中で、洋画を元気にするにはどうしたらいいのか、かつての古い映画にも名作がたくさんあって、それを見てもらうのも大事なんじゃないのかというのが始まりです。昔は毎日のようにテレビで洋画をやっていて、解説者も淀川長治さんや水野晴郎さんらがおり、それが洋画の入り口だったんですよ。そこで興味を持った人が、名画座などに行って見るという流れがありましたが、気が付けばテレビの映画放送も少なくなり、名画座や岩波ホールも閉館になってしまいました」
黒縁メガネのおじいちゃんが、「さよなら、さよなら、さよなら」で締めくくる「日曜洋画劇場」。約32年間、映画の解説を務めていた淀川さん(1998年死去)や、「水曜ロードショー」(85年から金曜ロードショー)で「いやぁ、映画って本当にいいもんですね~」というセリフで人気となった水野さん(2008年死去)ら名物解説者がいた。トランペットで奏でるテーマ曲「水曜日の夜」は今聞いても叙情を誘う。
当時、テレビの映画放送は活況を呈し、70年代、80年代は月曜日から日曜日までどこかしらのテレビ局が映画、特に洋画を流していたもの。