芸人→弁護士目指した角田龍平 司法試験に落ち続けた日々を支えた“師匠”オール巨人の言葉
角田龍平の巻(下)
大学に通いながら1年間オール巨人さんの弟子に付いていた角田君でしたが、巨人さんほか先輩方との才能の違いを目の当たりにして“憧れ”が“絶望”へと変わり、漫才師への夢を諦めることに。師匠たちが許してくれる大義名分のため、次の目標に掲げたのは“弁護士になること”でした。
巨人師匠に告げると「そんなもん簡単になれるか? アホちゃうか?」ではなく「どんな仕事に就いても君は一生僕の弟子やから、頑張りなさい」と温かく励まされ、「3年間は絶対辞めるな!」と言われていた紳助さんにも「せっかく、知り合えたんやから(漫才を)諦めても遊びに来いよ」とこれまた温かい言葉で送り出されたのでした。
私も何の根拠もありませんが「この子ならなれるんちゃう?」と素直に感じていました。高校生の時にテレビ番組で150組の中から優勝し、紳助さんに「天才や!」と言わしめたオーラを角田君は持っていたからです。大学で猛勉強を続け、最初の3年間は「次は(来年は)いける」という感触があったそう。
ところが、4年目からの3年間はどんどん成績が落ちて迷走。「(当時の記憶が)ホンマにない。嫌な記憶は自分を守るために消してしまういうのん、ホンマですね!」としみじみと話していました。私も17歳からの7年間の闘病・療養生活の記憶が飛び飛びで消えているところがあるので、この気持ちはすごくよくわかります。