一度は行ってみたい「ニューミュージックの聖地」を巡礼 コンテンツ戦略の第一人者が案内
福山雅治「桜坂」は閑静な住宅街の中
「桜坂」は福山雅治の大ヒット曲である。2000年4月にリリースされ、200万枚を超える売り上げを記録した。その舞台は東京都大田区田園調布本町にある「桜坂」とされている。ちょうど東急多摩川線の沼部駅から少し歩いた先の閑静な住宅街の中にある。桜の季節のわずかな時間だけ、桜のトンネルのようになり見事な景観をつくる。
というように幾つかの聖地を含んだ楽曲を見てきたが、「桜坂」はまだしも、時間を経た楽曲は周辺環境もすっかり変わってしまったところも多い。
しかし訪ねてみると原風景を見いだすことも可能に違いない。ときには好きだった楽曲の聖地に足を向けてみるのも楽しいひとときになるだろう。
▽増淵敏之(ますぶち・としゆき) 1957年、札幌市生まれ。法政大学大学院政策創造研究科教授。専門は文化地理学。東芝EMIやソニー・ミュージックエンタテインメントなどでコンテンツ制作に携わった経歴を持ち、現在はコンテンツツーリズム学会会長や文化経済学会日本特別理事などの公職も務める、コンテンツ戦略の第一人者。「ローカルコンテンツと地域再生」(水曜社)、「『湘南』の誕生」(リットーミュージック)、「おにぎりと日本人」(洋泉社)など著書多数。最新刊に「韓国コンテンツはなぜ世界を席巻するのか」(徳間書店)がある。