市川猿之助はジャニー喜多川と同じだったのか、それとも伊丹十三か?
「猿之助さんを拒絶したら怖い」というイメージが、一門の中には充満しているという。長年、澤瀉屋で役者をやってきた者も猿之助に嫌われれば、エキストラのような役しか与えられない。仕事のため、将来のためと自分に言い聞かせて我慢すれば、猿之助の覚えがめでたくなり、芸歴や実力には不相応ともいえる役を与えてもらえる。
歌舞伎の世界は男社会である。同誌の中には「澤瀉屋周辺では、そうした猿之助さんの行動は知られた話で、周囲は、“今日は彼が腕枕要員だったんだな”という目で見るばかりだと言います」(劇場関係者)という記述もある。
これが事実だとしたら、絶対的な権力を持つ者が、自分の欲望を満たすために下の者を性的に蹂躙(じゅうりん)していたジャニー喜多川のケースに酷似しているのではないか。
なぜ一家心中を図ったのか、猿之助の口から真相が語られることはないような気がする。(文中敬称略)
(元木昌彦/「週刊現代」「週刊フライデー」元編集長)