ジャニーズ性加害問題「タレントに罪はない」…テレビ局が相次ぎ擁護、“見て見ぬふり”の覚悟は?
アメリカでは、性加害を黙認していた企業や団体なども罰則を受けるのが自然な流れとなっている。実際にペンシルバニア州立大学のアメリカンフットボール部のアシスタントコーチだったジェリー・サンダスキーが、15年以上に渡り、8人の少年を性的虐待した事件が2011年に発覚すると、同大学の学長、副学長、元アスレチックディレクターも、サンダスキーの行為を知っていたにも関わらず、警察当局への通報を意図的に行わなかったとし、大学理事会によって解任されている。
さらに2018年、ミシガン州立大学のスポーツ医だったラリー・ナッサーが、治療と称して未成年を含む女性330人以上を暴行した罪で有罪となった事件では、当時のミシガン州立大学の学長が事件発覚後に辞任。ナッサーが米女子体操五輪チームのスポーツ医を務めていたことから、有罪判決後に米国オリンピック委員会(USOC)のCEOも健康上の問題を理由に辞任した。
国際社会では重大犯罪を薄々とでも知りながら、それに目を瞑ったり、救済に動かなかった人も、その不作為の責任が問われるのが常識。日本はつくづく性加害に優しい国と言えるのかもしれない。テレビ局上層部たちの「タレントに罪はない」という説明を虚しい気持ちで聞いた視聴者も少なくなさそうだ。