北公次は性被害とアイドルからの凋落で壊れていった…ジャニー喜多川氏からは花輪も届かず
青山の葬儀にも立ち会った友人は亡くなった北を思い、「ジャニーさんも花輪のひとつぐらい出してくれたら、コーちゃんは喜んだろうに。彼も浮かばれない」と語った。
中学を卒業し、和歌山から芸能界に憧れて上京した美少年は東京・四谷のお茶漬け屋の2階に住み込んだ。ここにジャニーさんが通うようになる。性加害の根っこ。「光GENJIへ」で「おそらくジャニーズ事務所のなかでは今もきっとこれと同じことが行われているだろう」と書いた。
それでも北は最後の最後にジャニーさんを慕う気持ちを伝えたかったということだろう。
ジャニーズ事務所を離れる前から耐え切れずに北は覚醒剤に手を染めた。貯金魔だったはずが解散した時には銀行の口座に1円も残っていなかったという。性被害、アイドルからの凋落の中ですさんでいった北。それでも最後のよりどころがジャニーさん。
そろそろそんな呪縛からジャニーズも、だんまりを続けたメディアも解き放たれてもいい時ではないのか。話は飛躍するが、性加害には向き合わず、LGBTQ+に必死になっているメディアを見ていると、泥棒はダメとわかっていて、泥棒にも人権があるみたいな話をしている人たちとしか思えない。
(峯田淳/日刊ゲンダイ)