目黒蓮「トリリオンゲーム」にはぶっ飛んだ勢いが 見どころは「躍動感」だ
猛暑に対抗できる、ぶっ飛んだ勢いのドラマがあってもいい。「トリリオンゲーム」(TBS系)はそんな一本だ。
ハル(目黒蓮)とガク(佐野勇斗)は中学の同級生。新卒採用試験で再会し、一緒に起業することになる。だが資金も人脈も事業計画もない。あるのはハルの飛び抜けた話術とガクの優れたIT技術だけだ。にもかかわらず、ハルは「1兆ドル(トリリオンダラー)を稼ぐ!」と宣言。徒手空拳の戦いを開始する。
目黒といえば、昨年秋の「silent」(フジテレビ系)で演じた聴覚障害の青年が鮮烈だった。今回は全く逆のキャラクターだ。冗舌でハッタリが得意。計算高いくせに悪いことにはノーブレーキ。ただし発想力と実行力は特筆ものだ。ガクをハッカー大会に出場させて大物投資家(吉川晃司)とつながる。生真面目な大学生・凜々(福本莉子)を採用して社長に抜擢。さらにAI(もどきの)機能付きオンラインショップを開き、フラワーアレンジメントで成功する。
このドラマの見どころは、対照的な個性とスキルの2人が組んだことで生まれる物語の躍動感だ。投資ビジネスの現実がどこまで描かれているかより、大ボラのような夢に挑む彼らがどこまで行けるのか、具体的にどうやって到達するのか、それが見たくなってくる。原作は同名漫画で、脚本は朝ドラ「マッサン」などのベテラン、羽原大介だ。