企業の「ジャニーズ離れ」の素早さ…鈍感すぎるNHKとメディア人間たち
元NHKのジャニーズ出演番組プロデューサーは、「ジャニーさんの家には何度も行っていたから、子どもたちが泊まっていたことは知っている。でも、そういう“えげつない世界”や“性的な部分”は知りたくないと思っていた。視聴者獲得のために清濁併せのんでやってきた」と呆れ果てたことを言っている。
NHKはすべてを知りながら、視聴率のために目をそらしていたのである。テレビやスポーツ紙には“ジャニ担”といわれる下劣な太鼓持ちがいる。この際名前を公表したらどうか。
私が週刊現代でジャニー喜多川の性加害疑惑を取り上げたのは1981年。ジャニーズ側の猛烈な抗議を受け、私は女性誌に飛ばされた。その後、1990年から97年までフライデーや週刊現代の編集長を務め、ジャニタレの女問題は山ほどやったが、ジャニー喜多川の性加害問題には触れられなかった。
問題意識がなかったわけではない。だが、やれば必ず社に圧力がかかり、ジャニタレを使えないと困るのは少年少女雑誌や女性雑誌、漫画である。私が編集長を辞してからすぐに文春の追及連載が始まった。ジャニー喜多川の“犯罪”を見逃してきたという意味では私も同罪である。 (文中敬称略)
(元木昌彦/「週刊現代」「フライデー」元編集長)