竹脇無我さんには「絵になる人は何をやっても絵になるんだなぁ」と思った
結婚して一番驚いたのは「つまんないことなんですけど、食事の時にレストランみたいにお皿に1人分ずつ分けて出てきた時に“お店じゃないんだから”って。僕の育った家は、大きなお皿にドーンと入ってるおかずを好きな分だけ取って食べるっていう食卓だったんで“家でもお店みたいにするんだ”って、あれは正直びっくりしましたね」と、奥さんとの小さなカルチャーショックについて熱弁されている姿がまた“絵になって”いました。
演技の話では森繁久弥さんとの思い出を懐かしそうに話されていました。お父さんがNHKのアナウンサー1期生で、森繁久弥さんと親友だったそうで、森繁さんを「オヤジ」と呼んで慕われていました。森繁さんはいつも本番でアドリブを言ってくるので、それに対応するのに必死だったそう。「(森繁さんいわく)普段の会話で、相手が何を言ってくるかなんてわかりゃしないんだから、何言われても返せるようにしとかなきゃいかんだろう、とわかったようなわからないような理屈で押し切られましたね。でもオヤジの言うことだから最後は“はい、はい”って聞いてましたね」と楽しそうに振り返っておられました。
もっと“枯れた演技”を見たかったという思いもありますが、67歳という年齢で旅立たれました。きっと天国でも先輩方と芸談に花を咲かせておられることでしょう。