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城下尊之芸能ジャーナリスト

1956年1月23日、福岡県北九州市生まれ。立教大学法学部卒。元サンケイスポーツ記者。82年、「モーニングジャンボ 奥様8時半です」(TBS)の芸能デスクとなり、芸能リポーターに転身。現在は「情報ライブ ミヤネ屋」(読売テレビ)、「朝生ワイド す・またん」(読売テレビ)、「バイキング」(フジテレビ)に出演中。

放送での「バカ」の使い方、機転の利かし方…小倉智昭さんは“先生”のような存在だった

公開日: 更新日:

 中継から局に戻ると、夜になるのに小倉さんがスタッフルームで待っていた。

「城下クン、ごめんよ。ちょっとした冗談だったんで、笑ってりゃよかったんだよ。真面目に捉え過ぎだ」

 こう言って笑いながら帰っていった。

 待つといえば、今から7年前もそうだった。僕が本を出版した時、ちょうどフジテレビの仕事があったので「とくダネ!」の生放送中にマネジャーに「小倉さんのことを書いた部分がありますので」と言って本を手渡した。

 僕が仕事を終えて戻ってみると、小倉さんは生放送終了から3時間以上も経っているのに待っていてくれて、声をかけてくれた。

 そして若い頃の僕にさまざまなことを教えてくれた。放送では「バカ」という言葉は使えないが、誰もがダメだと思える人物には「バカもバカ、大バカヤローだ」と言えば通用するのだという。

 また、出演者の卒業写真を使う企画で、女性リポーターがうっかり写真を忘れてきたことがあった。すると小倉さんは「若い頃の写真は戦災で焼けたんだろう」と、彼女のミスを笑いに変えてやっていた。そういった「機転の利かし方もあるよ」と教えてくれたのだ。

「小倉のことは嫌いだという人たちが、ある程度いるくらいがちょうどいい。じゃないと目立たない」

 そんな強がりも言う小倉さんは僕にとっては“先生”のような存在だった。合掌。

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