バッテリィズのボケ担当エースの「おバカ」パワーは常に受け手の想像を超えてくる
しかも、彼はただの無知なおバカキャラではなく、その裏に人間的な優しさがにじみ出ていることもある。漫才の中で、昔の偉人の墓が大きいのはそれだけ偉大だからだという話をされて、自分の祖父の墓が小さいと言っていたエースは「俺のおじいちゃんも、おもちゃいっぱい買ってくれたから! 俺のおじいちゃんも偉大やから!」と返した。その無邪気な一言は単に笑えるだけではなく、爽やかな感動をもたらした。
審査員のアンタッチャブル・柴田英嗣は、「こんなクリティカルなアホ、初めて見た」と絶賛。同じく審査員のオードリー・若林正恭は「小難しい漫才が増えてくる時代の中で、ワクワクするバカが現れたな、と思って」とコメントした。
偏差値の高い大学出身のインテリ芸人がどんどん増えている中で、バッテリィズは無教養なエースの「人間としての魅力」を前面に出して、新しい形の漫才を完成させた。今年は文字通りお笑い界のエースとして各所に引っ張りだこになるだろう。(つづく)