「低俗番組」と批判された児島美ゆき「ハレンチ学園」
しかし、マスコミを巻き込んだ教育界からのバッシングは激しく、永井はワイドショーの討論会で何度も吊るし上げを食った。騒動を受け、永井は教育軍団がハレンチ学園を攻撃するエピソード「ハレンチ大戦争」を描き、メーンキャラを次々と殺していった。
70年7月、ハレンチ学園第1部が完結。永井は後に「自分の中ではハレンチ大戦争でハレンチ学園は終わっている」と語っている。
マンガ版が終局に向かう一方、テレビで実写版の放送が始まった。主役の十兵衛こと柳生みつ子に起用されたのは新人の児島美ゆき(当時18)。スカートめくりや入浴シーンを体当たりで演じてあっという間に人気タレントの地位を獲得。初回に25%の視聴率を叩き出し、テレ東の記録をアッサリ破り、その後、最高視聴率32%を記録する人気になった。児島が自前の下着で臨んだ撮影現場はカメラマンなどスタッフが「スキあり!」とスカートめくりするなど和気あいあいとした雰囲気だったという。
テレビ版と前後して映画版は4本製作され、教師役には宍戸錠、藤村俊二、由利徹、うつみみどりらを起用した。ドタバタに加え、当時の世相を反映した学生運動ネタも盛り込まれていた。実写版もマンガと同様、PTAからの批判にさらされたが、同作品の監修に当たった教育評論家の阿部進は「底ぬけの人間のよろこび、仲間意識のあたたかさ」と擁護の立場から論陣を張った。