安倍元首相を銃撃した山上徹也容疑者の近況報道は雑誌だからこそ なぜ新聞やテレビは報じない
1973年、立教大学の助教授(当時38)が恋仲になった女子大学生(同24)を殺して、一家心中するというショッキングな事件が起こった。助教授の恩師の別荘で2人が会い、その後、女子大学生が殺されたというのは分かったが、どこに埋められたのか? 警視庁捜査1課と目白署が八王子近辺を捜索しているという情報が入った。
週刊現代編集部員だった私は記者と“現場”へ向かった。駅近くの荒物屋でスコップを2本買い、深夜になって警察が手を付けていない場所を探してスコップで掘り始めた。
突然、闇の中から大声がした。
「おまえたち、ここで何をしているんだ!」
警官が2人。すくみ上がった私たちは、「僕たちは週刊誌の記者で……」としどろもどろ。「捜査妨害で逮捕するぞ」と脅かされ、すごすごと引き揚げた。
翌年、遺体が発見されたのは、私たちが掘っていたところからそう遠くない場所であった。 (文中敬称略)
(「週刊現代」「フライデー」元編集長 元木昌彦)