安倍元首相を銃撃した山上徹也容疑者の近況報道は雑誌だからこそ なぜ新聞やテレビは報じない

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「(自分の)子どもですから、みんな、そうでしょ。一緒でございましょう。あなたがね、大切に思いはるのと同じで、一緒でございましょう」

 山上逮捕直後、彼が恨みを持っていた宗教団体が統一教会であることをいち早く報じたのも雑誌系メディアだった。なぜ雑誌にできるのか? ひと言でいえば「記者クラブ」に入れないから。当局の発表に頼らない「人の行く裏に道あり」が雑誌取材の基本だからだ。

■大久保清事件、立大助教授事件

 私の拙い取材経験を紹介しよう。1971年、8人の女性を次々に強姦して殺した「大久保清事件」が起きた。月刊現代の新米編集者だった私は、事件の詳細を追うのではなく、大久保の両親を捜し出して話を聞こうと考えた。悪戦苦闘の末、群馬県の沢渡温泉にいるという不確かな情報を得た。行ってみると、「風呂から出て裸同然で歩いている奇妙な老夫婦がいる」という。宿を探して直撃した。だが、「バカヤロー、おまえたちに話す義理はない」。

 罵声を浴びせられながら粘りに粘って、父親から「私らの清への教育が間違っていたことは認める」という言葉を引き出した。テレビのワイドショーならスクープ映像だっただろう。

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