ジャニー喜多川氏「性加害問題」で新証言 服部吉次さんと友人が明かした壮絶被害と恐怖の記憶
山下達郎発言は「才能があれば何をしてもいいというのはおかしい」
会見の場ではシンガー・ソングライターの山下達郎(70)のラジオでの発言についての言及もあった。山下は服部さんの実兄である音楽家の服部克久さん(20年死去)を“数少ない先生とお呼びする方”と公言し、ストリングスアレンジなど編曲の提供も受けるなど服部家とは縁が深い人物である。
山下は今月9日、「サンデー・ソングブック」(TOKYO FM系)で音楽プロデューサーの松尾潔氏が自身の所属事務所「スマイルカンパニー」との契約が途中解除になった理由について「(松尾氏はジャニー氏の性加害などに対して)臆測に基づく一方的な批判をした」と発言。「ジャニーさんへの功績に対する尊敬の念は今も変わっていません」「ジャニーさんのプロデューサーとしての才能を認めることと社会的倫理的な意味での性加害を容認することとは全くの別問題」などとジャニー氏を擁護する発言を繰り返した。
さらに、「私の姿勢を、忖度あるいは長いものに巻かれていると解釈されるのであれば、それでも構いません。きっとそういう方々には私の音楽は不要でしょう」と語ったことについて聞かれると、服部さんはこう答えた。
「山下達郎のことは僕も好きでしたが、一連の発言は自分でそう思い込もうとしているんじゃないかと思うくらい、普通に考えたらありえないし、おかしい。罪は罪、人は人というような、才能があれば何をしてもいいというのはおかしい。アングラの世界だったらボコボコですよ。そんなことは通用しない。芸能界でも硬派だった彼がやすやすとああいう発言ができるのかという感想を持ちました。それくらい甘いですよ。はっきり言っておかしいと思う」
一方の松﨑さんはこう言った。
「彼は素晴らしい曲を作るし、海外でも評価されている。その彼がああいう発言をした。彼は、ある意味で公人であり、常識を持った人間ならあそこまでの発言はするべきではないと思う」
ジャニー喜多川氏による性被害の当事者本人から山下に向けられた言葉は重い。さらに、この問題に関してのジャニーズ事務所の対応について2人はこう話した。
■ジャニーズ事務所の対応は言語道断
「言語道断だと思う。告発している人たちの動きには賛同している。こちらから声のかけようもないのだが、機会があれば話をしたい。またジャニーズ事務所とも話をしたい」(服部さん)
「ジャニー喜多川の問題にかかわらず、日本人はハラスメントの問題などにもっと真摯に向き合わないといけないのではないか」(松﨑さん)
ジャニーズ事務所設立前から行われていたジャニー喜多川氏による性加害犯罪。2人の勇気ある証言は、問題の根深さを物語ると同時に、ジャニーズ事務所の存在理由そのものも突きつけられている。