がんセンターで3人死亡 入院短縮「腹腔鏡下手術」の危険度
日本で3番目に古い千葉県がんセンターが揺れている。同じ医師の腹腔鏡下手術を受けた患者3人が、術後まもなく死亡していたのだ。県は22日、会見し、原因究明のための第三者委員会を設置すると発表した。
腹腔鏡下手術は腹部に開けた3~4つの穴に、患部を照らすカメラやハサミなどの手術器具を挿入して行う医療行為。腹部を切り開く開腹手術より体の負担が少なく、回復が早い。
県病院局によると、患者は57~80歳までの男女3人。12年9月から今年2月にかけて、すい臓がんなどですい臓の一部や十二指腸を腹腔鏡を使った手術で切除され、手術当日や2週間後に亡くなった。手術は、消化器外科のベテラン男性医師が執刀したという。
県は「現段階で医療ミスとは認識していない」としているが、短期間のうちに同じ術式で死亡例が相次いだのはいかにも不自然。一連の不審死をスクープした「週刊朝日」の発売日に合わせたタイミングでの記者会見だっただけに、なおさらだろう。だからこそ県は第三者委員会の設置を明言したはずだ。